コロナ関連最新情報

2020.04.09

家賃の減額交渉等のご参考に是非ご一読ください!

資金調達については早急に動かれた方々の今後の課題は、
固定費の中でも大きな割合を占める人件費家賃と思います。

人件費については、雇用調整助成金である程度カバーできますが、
家賃の負担が非常に悩ましいものです。

3/31付けで、国土交通省から、ビルの所有者に対して、
飲食店等のテナントの賃料の支払いについて、
猶予に応じていただくなど柔軟な対応の要請がありました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000201.html

しかし、ビルの所有者にも事情があるもので、
家賃に関する国の支援策が待たれます。

今後、大家さんと家賃の減額交渉や、支払猶予の交渉をされる方も
多いかと思います。

今回は、当社が提携させていただいてます不動産の専門家である
㈱湘南プランニングの国立専務様に、最近の不動産状況について
書いていただきました。

今後のご参考になるかと思いますので、是非ご一読ください。

 


 

このたびの新型コロナウィルスに罹患された皆様と、
感染拡大により生活に影響を受けられている地域の皆様に、
心よりお見舞いを申し上げます。

 

不動産から見た新型コロナの影響について

ほとんどの方が、事務所や店舗を賃借したり、
銀行へ自社物件や社長の物件を担保に供していたりと、
不動産と何らかの関わり合いを御持ちになっていることと存じます。

そこで、今回は、このような情勢下に置きまして、不動産の現場では
どの様な動きがあるのか、緊急寄稿をさせて頂きます。

 

① 賃貸借契約の現場

昨今の情勢におきまして、やはり飲食店を中心に大家さんへの賃料減額交渉や支払い
猶予要請が数多く発生しております。
これらの要請に対し、大家さんの反応は大きく2つのパターンに分かれているようです。

A、全く応じない

大変冷たい対応にも見えますが、現場ではこの反応が一番多いようです
大家さんの立場からしたら、そもそも法的に応じる義務が有りませんし、
また、大家さんからしてみると
「このテナント、危ないのかな? だとしたら、より一層、取れるうちに家賃を取っておかなくては」と
警戒心をいだいてしまい、ついつい自己防衛に走りがちになってしまう側面もあるので、
無理もない反応と言えるでしょう。

もっと言えば、大家さん自身も物件を銀行からの借入で購入したり維持したりしているわけで、
その返済原資はテナントからの家賃の訳ですから、自らが銀行に対し債務不履行とならないために
応じたくても応じられないという事情を抱えていることも忘れてはいけない視点です

B、若干の減額要求や支払い猶予に応じてくれる

様々な事情を抱えながらも、家賃減額に応じてくれる大家さんも全体の20%位の確
率で存在します。

前記しましたように、大家さんにも都合があるわけですから、きわめて優しい大家
さんと言えるでしょう。

おおよその相場は、

・賃料減額の場合・・・概ね三カ月程度、賃料を10%前後値引いてくれる。
・支払い猶予・・・概ね半年くらい、1か月分から2か月分の賃料を支払い猶予してく
れる。その後の返済については、分割払い。

といったところです。
基本的には10%値引きの方が多いです。

ポイントとしては
・大家さんにも銀行返済等の事情がある事を理解してあげること。
すなわち、「コロナだから値引いて当たり前」というスタンスは危険です。
お願いベースで下手に出ましょう。
・お願いをするからには、日常の経営は健全であったということで、コロナ前の決算書等を提出し
まずは、テナントとしての信用力を補強してからお願いしましょう。
テナントの信用力を毀損してしまっては、応じたくても応じにくいのが貸主です。
・調整には第三者に入ってもらった方が喧嘩状態とならないのでお勧めです。

 

② 売買の現場

賃貸の世界における賃料相場というのは、影響が出るのはもう少し先のようですが、
売買の世界の売買金額相場には、早くも影響が出つつあります。

某準大手は、4月の契約済み案件の契約を膨大な違約金や手付放棄をしてまで、
全て破棄しました。
契約を流してまでも、今後の相場下落による損失を回避したという事です。

また、体力の比較的弱いとされる、新興のディべロッパーに対しては、
仕入れ融資が金融機関からつかない(担保評価が伸びない)ことを理由に
プロジェクトの変更をしたり、最悪の場合はプロジェクトを流すケースも
出ているようです。

今後の経済対策やコロナの終息状況にもよりますが、
ホテル需要を初めとした相場の牽引役が大きなダメージを受けた以上、
相場の下げ基調は簡単には改善しないと思われます。

最悪ケースでは、ここ一年以内に場所によっては30%超の相場下落も有りえます。

 

③ 担保物件の現場

基本的には担保の売却要請を金融機関側から行う事は、現段階では政府の方針もあって、
早急に進むとは考えにくいと思われます。また、社会保険や税務署の差押えも当面は
あまり積極的な展開は無いと思われます。

よって、リーマンの時のような貸しはがしの一典型としての、
差押で追い込まれての担保売却の場面というのは、すぐに生じるとは思いません。

しかし、前記したように相場が下降局面に入る確率はかなり高いので、
以下の点に注意して不動産の担保戦略を一度検討することは重要です。

A,担保価値があるうちに売却をしオフバランスをすべきか
B,担保価値があるうちに、借り増しをすべきか
C,将来、BS構造上、不動産目減りにより含み損を抱えることになるかどうか
D,絶対に手放せない不動産について、最悪の場合の保全スキームを組むべきかどうか

社長の自宅や本社ビル、店舗を自己所有している場合は、
いざという時には、非常に大がかりなスキームが必要となることも有るので
早め早めに対応策を検討しておかないといけません。

 

以上、長々と失礼いたしました。
不動産でお困りごとがございましたら、古田土会計様を通じてお気軽にご相談ください。

 

令和2年4月8日

行政書士、宅地建物取引士、競売不動産取引主任者、
日本不動産仲裁機構登録調停人

株式会社 湘南プランニング 専務取締役
國立 大助

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